石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

内田樹編 『日本の反知性主義』 晶文社の印象

先週から,表題の本を図書館で借りて一通り読んで,それなりに面白かったのだが,さて何か記録を残しておこうと思ったら,殆ど記憶に残っていない.10人の人がタイトルに関する問題について書かれており,共感するもの,良く判らないもの,色々だった.

最初の内田樹さんの「反知性主義者たちの肖像」はかなりショックで,自分の最近の状態が「反知性主義的」であることを知ることができた.つまり,頭がワンパターン化されていて自らを変化する要素がなくなっている状態.

このタイトルで書くことに逡巡した,高橋源一郎小田嶋隆想田和弘等はそれぞれの気持ちが判る気がして,それぞれのスタンスが書かれていた(中身は忘れたが)ので面白く読めた.

唯一理系の仲野徹さんの「科学の進歩にともなう「反知性主義」」は,理系で細分化,技術が進歩して1論文を出すためのデータ量が膨大なものになり,昔のように考えながら次の実験をすすめるようなやり方ではなくなっている状況が記され,研究の進歩そのものが研究の現場から知性的な内容を奪っているような指摘があった.

想田和弘の「体験的「反知性主義」論」で書かれてたように,映像を作る場合,台本ができてしまうと,実際の撮影現場では台本が軛になってしまい,創発的な活動が抑制されるとのこと.色々な場面でありそうな感じはする.

ps ヤフーブログが今年末に終わるので,そろそろブログをどうするか決めないといけないですが,まだ迷っています.或る意味,ヤフーブログに馴れすぎてしまい,他のFree blogを見ると戸惑う状態です.或る意味,この10年余りの記録(私は日記をつけていないもので)として自分で残しておきたいような気もしますが,最後はいずれ雲散霧消になるのは仕方ない.