石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

2009-01-01から1年間の記事一覧

KY

昨年亡くなった筑紫哲也の本を眺めていたら、若い人達に引き継いで欲しくないものとしてKYについて書かれていた。以前から当方はKYなぞ無視していたから、結果として一番KYな人間で周囲から浮きまくる状態である。でも学生さんについては、彼らの多くがKYを…

WoS

Web of Scienceの検索可能期間が先週から1971年以降になったようだ.それまで,1996年以降,1986年以降,とかで,古い文献はGoogle scholarを使っていたが,これでWoSである程度まで古い文献が探せるようになった.このまま維持されると良いのだが.

「大学院生物語」文芸社

大きな本屋に置いてなく,結局Amazonで入手しました. 読んでみて,これは一寸特殊な「大学院生物語」のような気もします.旧国立研究所での研究室の日常が描かれていますが,研究テーマが理事長から出されて,研究員の著者が請け負った大学院生に実験の手ほ…

後山,平成之大馬鹿門

先週の日曜は,久しぶりの山登り.兵庫県では3番目の後山(1345m)へ行く.国道沿いに車を置いて,林道を上り,途中から登山道で,平成之大馬鹿門で一休み.山頂は4℃で風があり結構寒かった.下りはうっかり行者道に入ったら,平均傾斜40度,比高300m位の…

事業仕分け

政権が替って,その斬新さを示すには今回の事業仕分けはなかなかインパクトを感じる.ただ,科学技術予算の仕分けについては,民主党のその方面の理解の乏しさが露呈した感じがする.首相を始め主だった閣僚が理系だったはずなのに,科学技術が日本の今後に…

論文数100

40年近い大昔,ある研究センターで原子吸光分析をM先生に習いにしばらく滞在したことがある.センターの所長もされていたM先生はご自宅に招いて音楽などを聴かせて下さったりもしたが,ある日,君,これを見て御覧,といわれ,そのセンターが所属する大学の…

批判精神は目立ちたがり精神

今朝の新聞に出ていた勝間和代の記事はなるほどと思わせた。「批判は認められたい欲求の裏返しである」というもので、心当たりがある。 以前、自分の指導教官の講演にしつこく批判的な質問して怒らせてしまったことがある。それ以降スクールからは外れてしま…

東洋経済 vs ダイヤモンド

先週は,週刊東洋経済が「特集本当に強い大学2009」,今週は週刊ダイヤモンドが「大学,総力ワイド特集」とたまたま?連続して経済週刊誌が大学特集を組んでいた. 両方とも新聞広告で見てすぐ購入し電車の中でざっと見ただけだが,週刊東洋経済の方は毎年出…

概算要求見直しの影響

先程,事務局からメールで「概算要求見直しで,科研費の新学術領域(課題提案)と若手Sの公募停止」のお知らせがありました.前に「ぬか喜び」の記事で,全体が80件だと無理だと思ったのですが,ひょっとして政権が変わったので科学技術へ増額があって,件数…

「聊斎志異」の受け止め方

蒲松齢の「聊斎志異」は昔ながめた時は、荒唐無稽な作品だと思っていたが、自分に身近な人が亡くなって夏の夜に読むと非常に自然に入っていけたのに驚いた。生きている状態と亡くなった状態の境界というのがそれまで思っていたような不連続なものではなく、…

科研費データベース

存在は知っていたが,国立情報研のKAKEN-科学研究費補助金データベースを少し検索してみて,簡単にこれまでの研究課題別,研究者別の受領歴の詳細を見ることができることを知った.当方たいへん興味を持つテーマで受領されていて論文で見ないものだから全然…

科研費新種目-ぬか喜び

来春で定年だが、科研費の基盤(C)が僅かに来年度も残る。で、新規応募は可能かとみると、新学術領域研究という新種目ができていて、重複申請可能とのこと。「研究領域提案型」は従来の特定領域研究の改定版のようだが、「研究課題提案型」はやや小規模で、…

最先端研究開発支援プログラム

政府主導の最先端研究開発支援プログラムは今年度補正予算総額2700億ということで,科研費の総額に近い額が30名の研究者に配分される(但し,5年間分).先週その審査結果が発表になったが,新聞の論調を見ても実績重視ということらしい. 所属別にみると,東…

WoSの文献取扱い期間

Web of Scienceの扱い文献の期間が以前は1996年以降だったものが現在は1986年以降となっている.8月下旬には一時期1950?年以降になっていて,昔のISIのデータベースは全部on-lineで取扱い可能であることを知った.1986年以降にしてあれば,現在の人事公募等…

Minutes

国際プロジェクトの会議に参加してもう一つ気づいたのは,会議後,Minutesと呼ばれる詳細な議事録が作成公表されることだ.3-4日の会議について細かい印刷で30-40頁程度,一人ひとりの発言が詳細に記録されている.これを見ると会議でどのような議論が行われ…

Robert's rules of order

あるプロジェクトの委員を3年引き受けて勉強になったことの一つは、Robert's rules of orderというルール本の存在を知ったことだ。プロジェクトは日米欧で進められるもので、委員は18人で、他に関連委員会のリエゾンやプロジェクトマネジメントの人達20名余…

場によらず

図書館でたまたま目に付いた、足立壽美「原爆の父オッペンハイマー、水爆の父テラー」を寝る前に少しずつでようやく読み終えた。科学が社会・政治に大きな影響を与える過程で重要な役割を果たした2人についてフェアな視点で、あるれる思いも伝えながら抑制し…

ファイア

所属している学会のメールリストで,Ottawa大学の教授をしていたDenis Rancourt氏が大学にファイアされ地位保全の支持を求めるメールを投稿してちょっとした騒ぎになっている.学会の有力なメンバーが支持を表明したが,学会のメールリストでの活動は不適切…

Google ScholarとWeb of Science

文献検索は主にWeb of Scienceを使っているが,近くのスタッフがGoogle scholarを使っているとのことで少し使ってみた.まだ十分使い込んでいないが,比較すると次のような特徴があるようだ. 1.年代はGoogle Scholar(GS)は制約がないが,Web of Science(…

弾力性

集中講義の中堅(40歳位?)の先生のセミナーがあって聞かしてもらった。世界の先端の仕事をしている人の油の乗った話で、門外漢の質問にも適切に関連する情報が返ってきて、久しぶりにわくわくさせてもらった。 年取ると筋肉も大脳も弾力性を失って新たな展…

Reviewの効用

ちょうど原稿のReviewに取り掛かった時に,英文校閲の業者からメールでReviewの効用のpptファイルを送ってきたので念のために覗いてみると,その中に'Some benefits for the peer reviewer'というスライドがあり,6点挙げてあった. 最初の2点は自分の能力を…

違い

輪講で読んでいる本の著者に連絡を取ろうと思って検索したらFacebookだけで連絡可能なようだったので加入した.同じSNSでも日本のMIXIは知人の紹介が必須だが,Facebookは紹介の必要がなく取り残された年寄りにもOpenでやさしい.もっともOpenにしてしまった…

50歳

マイケル・ジャクソンが50歳で亡くなったと知って、たまたま50で亡くなった人に、グレン・グールドとアルフレッド・ヴェーゲナーがいることに気付いた。 ヴェーゲナーは大陸移動説を提唱して1930年11月1日の50歳の誕生日に3回目のグリーンランド探検に出発し…

IFのインフレ

Elsevierから最新のImpact Factorのお知らせメールが来たので,ちょっと覗いてみると,大半の地球惑星関係のJournalのIFが増加している.Excelにコピーして平均を見ると,Elsevierの地惑関係40JournalのIFの平均は2007年の1.82から2008年度で2.29に25%増加し…

Wikipediaの信頼度

授業で言葉の定義にWikipediaに書かれたものが適当だと思ってプリントに乗せたら,学生から「Wikipediaの情報は信頼できるのか?」と否定的な感じで意見された.自分の判断で良かったから載せたのだが,以外とあのようなAnonymousな情報は信頼されていないの…

鉄は熱いうちに…

最近、隣の研究室に来られた中堅の教員は、こちらが時々授業で朝8時に出るとほぼその時刻には仕事を始めており、たまに夜10時頃帰ることがあるといつでもまだ仕事を続けている。ということは少なくとも毎日14時間以上働いている計算だ。実験室の立ち上げもあ…

ロングテール現象は科学でも生じるか?

いい加減な話で、大学院の授業では,結局「ロングテール現象は科学でも生じるか?」というタイトルで話した.2006年に出版された時ざっと眺めて最近読み直した梅田望夫著「Web進化論」(ちくま新書)のロングテール現象(インターネットの出現により,売上の…

プロとは? なんて議論はアマは止めたが良い

以下の記事を思いつきで書いた後でネットで調べると、このテーマはごまんと本格的なプロのコメントが出ていて赤恥をかいた。消そうかと思ったが、これも自分の程度と思い敢えて残す事にした。授業でこの話はヤメ。 大学院のオムニバス授業が当たっていて,1…

耳学問の環境

昔,学生の時は周囲に関連分野の先生方も多く,またお客も多く,セミナーで新しい知識を耳学問することができた.その後就職した大学も地方の割にはお客が多くそこそこ耳学問はすることができた.3番目の地方大学は教養だったこともあり殆ど耳学問の機会は…

アマチュアとプロ

40年近く前、修士だった時にゼミの送別会でGigasさんが「アマチュア精神を大切に」とかいう話をされて、それに対してNobuさんが「いや、プロとしてやっていけるように道を究めることも大切」と切り返しいっとき議論になった記憶がある。時が経って、かたや日…