石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

インテリの規準-坂東昌子さんの記事から

坂東昌子さんの本は数年前に図書館でブルーバックスの本を読んで印象に残っていた.Web of Scienceで見てニュートリノや交通の問題の論文等が多数出てきて強力な人であることを知った.

さっき,検索して昨年のインタビュー記事*(Science Portal)5回分を読んで,それまでの素粒子分野から交通問題に物理学のモデルを提案する過程(苦労)が書かれていてたいへん強烈な印象だ.
* http://scienceportal.jp/HotTopics/interview/interview27/ ⇒これは違っていました。すみません。こちらです。Portal interviewに複数回出ておられるのを知らず内容を確認しませんでした。ごめんなさい。⇒
* http://scienceportal.jp/HotTopics/interview/interview42/

最後の5回目の記事を読むと,愛知大で統計学微分も判らない学生へ教えるのに判り易い教科書を共同で作成され,そのついでに経済物理学の研究を始められたことが書いてあった.このモデルの行方はまだ判らない(もう数編論文は出ている)が,新しい科学を始める心意気は素晴らしい.

その最後に,本物のインテリの基準みたいのが箇条書きで書かれていた.坂東さんの生きる姿勢みたいなものだと思った.

1.既成の概念やうわさにとらわれず事実を直視する
2.権威や肩書にとらわれない発想ができる
3.まねでない独創的で人を動かす発想がある
4.目先にとらわれず、先を読む気風がある
5.権力にも世論にもへつらわず意見がいえる
6.議論相手から指摘されたら異見を改める
7.論理や発展の段階をきちんととらえられる
8.客観的な事実と希望や主観を混同しない
9.議論は勝ち負けより、高い認識への糸口
10.科学的合理的志向をあくまで貫き通せる

10項目は覚えるには多すぎる.
松田卓也さんの教え(相手に伝えるためのプレゼン)では「結論は3つに絞れ」だ.
自分なりに3つに絞ると,

1.既成の概念やうわさにとらわれず事実を直視する
2.権威や肩書にとらわれない発想ができる
7.論理や発展の段階をきちんととらえられる
を選んでみたが,どんなものだろうか.