石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

#その他自然科学

来年度文科省予算(案)斜め読み

新聞で扱われているように、来年度予算(案)主要事項が出ており、文科省のものをざっと眺めてみた。 全般にまずまず、科学関係へ厳しいながらも科研費が30%以上増額になったのは特筆ものだし、一頃心配された、国立大学法人の運営交付金も-0.5%で従来より良…

Research Highlights

最近,ElsevierのJouranlに'Research Highlights'というのが付くようになっている. たまたま共著の原稿の投稿で,そのリクエストがあり,そのJournalで見ると今年の8月号頃から付くようになっていた.他のElsevier Journalでもメールで受け取るScienceDirec…

インテリの規準-坂東昌子さんの記事から

坂東昌子さんの本は数年前に図書館でブルーバックスの本を読んで印象に残っていた.Web of Scienceで見てニュートリノや交通の問題の論文等が多数出てきて強力な人であることを知った. さっき,検索して昨年のインタビュー記事*(Science Portal)5回分を読…

Web of Science改訂

Web of Scienceの対象年代範囲が1900年以降になった. 最近までは1971年以降だったが,これで歴史的な仕事を探すのにより便利になった. 試しに,Albert Einsteinを引くと,図のように結構多い.量子力学への懐疑についての1935年の仕事は最近でも年に数100…

予測性

自然科学では対象の変動を予測することは一つの理論的な目標であることを経済を齧っている若い人へ云ったら、経済学はそんなことないんじゃないか、と言われた。 まあ、天気予報一つとっても、3日以上先の予報はあてにならないことは身に沁みている。人間の…

B級グルメ

新聞では知っていたが,夏に富士に調査へ行った時,初めて「B級グルメ」を食する機会があった. ちょうど富士宮付近で昼になり,同行のIさんが,B級グルメのコンテストで入賞した富士宮焼きそばを食べようと云って浅間神社の横のお店に入った.野菜たっぷり…

居場所

実験室の机で仕事していたら,ドアが開いてDeanが顔を覗かせ,担当のM専攻Profから「校内巡視です,ここは居室ですか?」と聞かれた. 「いいえ」とだけ言って黙っていたら,担当者数名がジロジロ室内を見て行かれた(当然の御役目ですが). 退職している…

気の緩み

退職して半年。 振り返ってみると、なんとなく気が緩んだと思う。いろいろ不義理をしているし、片付けないといけないことが山積したままだ。 非常勤で授業をしている間はあれでも少し気が張っていたが、それらが終わってからの緩みがひどい。先月の学会の講…

「老化は病気!」

YanagidaMitsuhiro blogによると「老化は病気」だそうな. 人間の体は平均60-65年で寿命になるようにできている,という考えがある.その時間が経つと体を作るパーツが壊れてきてちょっとしたきっかけで命を失う可能性が高くなる.ところが現在は様々な薬や…

スライド・OHP・PPT

書類ケースの片づけをしていたら,OHPが多量に出てきた. スライドは昔は学会で使用したが,Slide scannerなぞがあり,一部はファイルにして大分捨ててある.OHPはそのまま残っていた.厚さにして20cm余り.燃えないごみに. OHPは大半が印刷してあるので一…

寡頭集中?

勉強不足で最近になって知ったのだが,2年前に文科省の科学技術政策研究所から「国立大学法人の財務分析」というのが出されていた. 上図はその例で,国立大学法人の外部資金導入状況を示したもの. 全体で87大学ある中で上位8大学で全体の3分の2を占め…

平成23年度,運営交付金8%削減?

7月16日にE大学へ行ったら,そこのS先生が,来年度から運営交付金が毎年8%削減になるかもしれない,と云っておられた.政府の中期財政フレームとかいう方針に由来している. その後各大学から,政府の財政方針について,要望や声明が出されているようだ. …

授業評価

今日で,授業は全て終わり.最後に授業評価アンケートを行う. この大学では授業評価は5年余り前からWeb入力になったのだが,回収率が30%以上にならないので,とうとう今期から又紙ベースでのアンケート. 注意書きを読むと,アンケート回収時には教員は立ち…

退職後

退職してもあまり変わらない生活をしていています.非常勤講師で新しい授業があったりしてその準備等でけっこう余裕のない日々でした.メールの受信数が半減以下になりましたが,これは3月までの勤め先のメールリストのメール数が多すぎたためだろうと思いま…

ピーターの法則

昨日の朝日新聞で勝間和代さんが取り上げていたピーターの法則というのは,成程と思ってしまった. ウイキペデイアで見ると,「ピーターの法則」は1969年に南カリフォルニア大教授のローレンス・J・ピーターにより提唱されたそうだ.1.能力主義の階層社会に…

定年退職

定年退職の通知書を受け取った.人間年取って能力が衰えるのを何処かで線引きする必要があるので,規則で決めるのは必要なことだ.授業や役の義務がなくなり,給料が貰えなくなるのだが,研究をそこで止める必要はないのだろう.ただ,実験系の場合は場所が…

地球科学系論文数の増加

地球科学系論文数の増加がどうなっているか,少し調べてみた.Web of ScienceでGeoscience multidisciplinaryとGeochemistry and Geophysicsに含まれる論文数の1973年から2009年までのもので著者住所としてJapanが含まれるもの.ついでに日本からの年別総論…

新聞切抜き-玉の海梅吉

小学生の頃相撲はよく遊んだし,ラジオ・テレビで玉の海さんの解説は懐かしい*.1979年の朝日新聞切抜き.今じゃこんな考えはやらないでしょうが. *どなたかが指摘して下さったが,考えてみれば伊勢の海さんの方が解説は流暢で,玉の海さんはあまり上手では…

ISIデータ,H-index

前回の続きで,H-indexと論文数,引用数の関係です.相関係数は結構高く,前者が0.88,後者は0.98になります.

最近のISIデータ(地球科学)

昨年末から,Web of Scienceの期間が1971年以降となったので,その期間のデータで少しずつリストを作ったものをプロットしてみました.日本の地球科学者(一部は惑星科学者も含む)のデータです.勾配は1.37となり,沢山書く人の方が論文当りの引用率が高く…

予測性

若い頃、小沼直樹さんの雑文に刺激を受けていたが、その中に「ブラッグの戒律」というのがあって気になっていたが、その元の文章Freeman Dyson(1970)'The future of physics'Physics Todayを40年余り経ってから読んでみた。 今読んでも色褪せない内容を含ん…

KY

昨年亡くなった筑紫哲也の本を眺めていたら、若い人達に引き継いで欲しくないものとしてKYについて書かれていた。以前から当方はKYなぞ無視していたから、結果として一番KYな人間で周囲から浮きまくる状態である。でも学生さんについては、彼らの多くがKYを…

WoS

Web of Scienceの検索可能期間が先週から1971年以降になったようだ.それまで,1996年以降,1986年以降,とかで,古い文献はGoogle scholarを使っていたが,これでWoSである程度まで古い文献が探せるようになった.このまま維持されると良いのだが.

「大学院生物語」文芸社

大きな本屋に置いてなく,結局Amazonで入手しました. 読んでみて,これは一寸特殊な「大学院生物語」のような気もします.旧国立研究所での研究室の日常が描かれていますが,研究テーマが理事長から出されて,研究員の著者が請け負った大学院生に実験の手ほ…

事業仕分け

政権が替って,その斬新さを示すには今回の事業仕分けはなかなかインパクトを感じる.ただ,科学技術予算の仕分けについては,民主党のその方面の理解の乏しさが露呈した感じがする.首相を始め主だった閣僚が理系だったはずなのに,科学技術が日本の今後に…

論文数100

40年近い大昔,ある研究センターで原子吸光分析をM先生に習いにしばらく滞在したことがある.センターの所長もされていたM先生はご自宅に招いて音楽などを聴かせて下さったりもしたが,ある日,君,これを見て御覧,といわれ,そのセンターが所属する大学の…

批判精神は目立ちたがり精神

今朝の新聞に出ていた勝間和代の記事はなるほどと思わせた。「批判は認められたい欲求の裏返しである」というもので、心当たりがある。 以前、自分の指導教官の講演にしつこく批判的な質問して怒らせてしまったことがある。それ以降スクールからは外れてしま…

東洋経済 vs ダイヤモンド

先週は,週刊東洋経済が「特集本当に強い大学2009」,今週は週刊ダイヤモンドが「大学,総力ワイド特集」とたまたま?連続して経済週刊誌が大学特集を組んでいた. 両方とも新聞広告で見てすぐ購入し電車の中でざっと見ただけだが,週刊東洋経済の方は毎年出…

概算要求見直しの影響

先程,事務局からメールで「概算要求見直しで,科研費の新学術領域(課題提案)と若手Sの公募停止」のお知らせがありました.前に「ぬか喜び」の記事で,全体が80件だと無理だと思ったのですが,ひょっとして政権が変わったので科学技術へ増額があって,件数…

「聊斎志異」の受け止め方

蒲松齢の「聊斎志異」は昔ながめた時は、荒唐無稽な作品だと思っていたが、自分に身近な人が亡くなって夏の夜に読むと非常に自然に入っていけたのに驚いた。生きている状態と亡くなった状態の境界というのがそれまで思っていたような不連続なものではなく、…