石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

嫌われ松子の一生

このタイトルの映画DVDを見たのだが、キャッチコピーは、「松子、人生を100%生きた女」。見た感想そのまま。

元々は、何故か最近、インド関係の本を少しずつ読んでいる(きっかけは図書館で見つけた横尾忠則の「インドへ」1970年頃の初期の作品、妹尾河童の「河童が覗いたインド」、NHK「インドの衝撃」)のだが、中谷美紀インド旅行記(1)-(4)をパラパラ見て検索してみると、御当人が主演の「嫌われ松子の一生」で2006年度日本アカデミー賞主演女優賞を受賞しているとのこと。Wikiで見ても監督と凄いバトルをしたことが書かれていて、こんなクセのある映画(女優)見なきゃ、ということでT社で借りて見た。

その場その場を一所懸命に生きて、それでも何処か歯車がずれていて、最後は浮浪者のようになって周囲から嫌われ者になり、川のそばの公園で注意した中学生にバットで殴られて死んでしまう。最初は中学校の音楽の先生として順調だったのだが、修学旅行で担任クラスの生徒が現金盗難事件をおこしてその措置でヘマして首になる。映画自体は、一部悲惨な話はCGを使ったり、ミュージカル仕立にして見易くしてあるが、基本は腰を据て撮影してあって無駄がない。

普通の意味では悲惨な人生なのに、何故か松子がその人生を生き切ったことに肯定的な感想を持ってしまう不思議さ。比べて、もうその大半を生きてしまった自分の人生はなんと生煮えの中途半端だったことか。

あとおもったのは、父親が長女の松子と次女の久美について(久美が病弱であるにしても)、松子に厳しく接してしまうのだが、自分の場合も親からの扱い、子供への対応が二人同じように出来ず違ってしまうこと。どうしてそうなるものか。松子の場合はこれが転落のきっかけの一つになった。