石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

黒い画集 ある遭難

バス待ちの時間があったのでバス停前のツタヤで見つけたのが、松本清張原作の表題のDVD.

何で借りたかというと舞台が今夏行った鹿島槍。良くできた映画で面白かったのだが、自分にとっては若干複雑。

というのは遭難現場に選ばれたのが、普通登山者は行かない主稜線から西に伸びた牛首山で、実は当方、黒部川花崗岩体を見るのに目をつけていた稜線。夏に行った時は時間と体力が無かったので、牛首山の稜線には入らなかったのだが、その方向は岩体を横断する方向なのでサンプリングに向いている。映画でこの稜線は意外と露頭状況が良くないことは確認できたが、それにしても、尾根の先端が黒部川に向かって絶壁になっており*、映画では道に迷って疲弊困憊・幻覚・墜落してしまう場面や、墜落遺体の包みを絶壁にそってロープでゴリゴリ引き上げる場面が印象的。かなり訪問の意欲が失せてしまった。

最後のあたり、初冬の雪の鹿島槍は景色としては秀逸。映画撮影も結構危険だったろうと思うのだが。

* 地形図で見ると、牛首山の尾根はずっとなだらかに黒部川へ向かって標高1400m位まで下っているので、映画での現場が何処で撮影したものか判らない。