石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

銅鉄主義

近くで実験をしている修士2年のN君に「銅鉄主義って知ってる?」と聞いたら知らないそうな。それほど一般的でないのだろうか。当方も学生の頃に悪い意味でこの言葉を知った。銅である測定を行って論文を書いたら、次に鉄で実験してその結果を論文に纏め、あまりオリジナルでもない論文を量産する態度のことを言っていた。でも、検索してみたら、OF大のKayanuma教授の大変面白い文章があり、また生物関係ではこのような銅鉄主義が必要なのだという積極的な主張も知った。生物の進化自体がDNAの部品の小修正の積み重ねであり、実際の研究態度でもそのようなものから面白いものが出て来る、という主張かと思う。こちらのEarth&Planetaryの分野ではどうだろうか。今、研究室でやっているのは、同じ手法で異なる対象で測定してあれかこれかという議論であり、かなり銅鉄主義そのものである。方法が独自なら一応論文になる(可能性が強い)が、必要とあらばやはり新たな方法を開発した方がオリジナリティは高いだろう。時間と経費と能力があれば、の話だが。