石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

適切な批判と新しい視点

法人化される前後から外部評価がよく行われるようになっている.以前からTITのEP専攻の黒表紙の年報には外部評価や学生による授業評価が出ていて率直な批判・感嘆が書かれていて健全性を感じ刺激を受けていた.あの専攻の高い研究レベルについての自信と謙虚さを感じたものだ.ある程度,自己評価は客観的にできる世の中になっているので,外部からの評価に対する期待は,適切な批判と,内部にいるのでは気付かない新しい視点だろうと思う.研究者は個々のテーマでやっているとどんどん狭いテーマに入っていってしまう傾向があるのだから(蛸壺化),大きな視野から見ると,その分野はもうおいしいテーマは大半やられているのだから,その分析能力を別のテーマに適用したり関連の分野と共同研究を行うと発展性が期待できるよ,というような助言は真に有難いものだ.ある程度政治的に外へ向けて力になるような外部評価もあるだろうが,自分達の気付かない視点こそ望ましい.単に称賛だけの外部評価だと何の意味もない.