石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

年取って時間の経過を早く感じること

よく、年取ると1日の時間が短く感じられる、と言われ、確かに、小さい頃は1日が長かったような感じを思い出す。

この現象は心理学等で検討されているものだろうか。検索してみると早速あった。

4つの説があるそうな。
人が感じる時間の長さは、自らの年齢に反比例するという説

[説2] 経験による処理速度向上説
新鮮な経験が少ないと、時間の経過は短く感じるという説

[説3] 心拍数の法則
「心拍数」の高さと時間感覚には関係があるという説

[説4] インプットが少ないから説
記憶量=時間 という理論。この理論だと仕事でアウトプットばかり続けていてインプットが少ない大人の時間は短くなるという説。

時間を感じているのは脳だろうから、説1はあまり説明になっていないように思える。

説2は、脳への刺激量(新鮮な経験)ということだろうから判りやすい。

説3は、確かに小さい頃の方が心拍数は多い。それでも大人になって半分以下になる訳ではないので線形だと説明できない。運動選手の方が心拍数は低いから時間が早く過ぎるだろうか?

説4はインプットに絞った処がミソなのだろう。確かにアウトプットする時の記憶というのは余りない。旅行したり新しい経験をしたり本読んだりしてインプットしたものは記憶に残る。でも私のように殆どアウトプットしない人間と、多量の著作をしている方々とで時間の経過感覚が異なるのだろうか。多量にアウトプットする人達は時間当りのインプットの量もそうでない人よりも桁違いに大きいのだろうか。

大人になってからでも、例えば出産・育児の頃は新たな経験が沢山で確かに記憶としては残る部分が多いだろうが、時間は長く過ぎただろうか?私は意外と早く過ぎたような気がする(出産は経験してませんが、ラマーズ法の記憶は強くあります)。

新しい経験でも、仕事上とか家事とか、必要に迫られて行う時の時間は早く感じるのではなかろうか。20歳までは、必要に迫られずに自由な時間で新しい経験をすることができると時間は長く感じる。20歳を過ぎて、特に仕事を持つと同じ新しい経験でも時間を短く感じるようになるのではないだろうか?’必要に迫られて’おこなう経験はそうでない場合とは脳での処理の仕方に違いがあるのかもしれない。もっともこれが正しいとすると、定年退職悠々自適の時間は長くなるはずですね。

上記URLにはこの問題に関する本が2冊紹介されているので、時間を見つけて読んでみよう。
一川誠『大人の時間はなぜ短いのか』集英社新書
竹内薫『一年はなぜ年々速くなるのか』青春新書Intelligence