石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

四国遍路もの

夜寝る前にぼつぼつ読むのに,以前はボツボツ,ここんところ結構な頻度で,四国遍路関連ものを読んできた.

高群逸枝 『お遍路』 厚生閣 歩いた直後に出したもの
高群逸枝 『娘巡礼記』 朝日新聞社  後から書いたもの
辰濃和男 『四国遍路』 岩波新書
山折哲雄・黒田仁朗 『山折哲雄の新・四国遍路』 PHP新書
石川文洋 『四国八十八カ所:わたしの遍路旅』 岩波新書
家田荘子 『四国八十八カ所つなぎ遍路』 ベストセラーズ
・倉田珠巳 『だいたい四国八十八カ所』 本の雑誌社
・狭間秀夫 『後期高齢者四国遍路を歩いてみれば』 諷詠社
黛まどか 『奇跡の四国遍路』 中公新書ラクレ
・横山良一 『発心・修行・菩提・涅槃』 角川
・月岡祐紀子 『平成娘巡礼記』 文春新書
高村薫 『空海』 新潮社
最後のものは関連本であるが,ともかく10冊あまり.

個人的には四国は卒論以来馴染みがあって順番通りに歩き遍路の記録を読むと,一人一人印象が異なっていて面白い.八十八霊場が区切りになっているので短時間ずつ読み進めるのにちょうど良い.

2000年頃以降,世間的にお遍路に注目が行くようになり,書店も書き手があれば遍路ものを出せば外れはない,ということなのかも知れない.どの本も独自の情報が多く含まれていて読んでいて飽きない.でも読んでしみじみするものもあれば,単にそうなんだ,という本もある.やはり著者の姿勢のようなものを感じることができる.一番良かったのは,横山良一の本で,写真も文章も力が抜けていてこころにしみた.歩き遍路は,健康,時間,お金が揃った最高の贅沢だそうだ.自分が行くとなるとなかなか腰が上がらない.

PS ネットで四国遍路日記を検索すると,沢山のサイトがあって,其々が多数の写真を含んでおり,そちらの方が単行本よりも情報が多いものもある.出版された本とWebの情報と,これからの世の中でどのように継承されていくものか,なかなかイメージできないでいます.