石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

論文数100

40年近い大昔,ある研究センターで原子吸光分析をM先生に習いにしばらく滞在したことがある.センターの所長もされていたM先生はご自宅に招いて音楽などを聴かせて下さったりもしたが,ある日,君,これを見て御覧,といわれ,そのセンターが所属する大学の理系教員の論文数リストを示され,「論文数が60以上ないとね,とりわけ100を越える先生は格が違うのだ」というようなことを説明され,「○×君はまだ論文数が30になっていないから教授は難しい」,というようなことも云われた.まあ,その時点で論文ゼロのボンクラの若手相手に教育して下さったのだろうが,確かに,論文数が100を越える人は恐らく200人以上の中で数名しか居なかったように思う.

現在はいろいろ便利になり情報を得るスピードも速くなっているが,それでも自分の分野では論文数が100を越える人は1割もいないだろう.結局,使っている時間の効率が,ぼんくら教員では20-30%しか論文に結実しないのが50%を越えると違うだろうし,そのような集中力のある先生は一般に学生にとって恐い.