石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

部分と全体

「部分と全体」というと、昔Heisenbergの同名の本を何度も読んで結局十分判らないままに、当時の物理学の革命の状況が背景に描かれていて愛用(Not愛読)した記憶がある。後にK氏がこの本のことを取り上げておられ、直接量子力学の後継としてこの本の影響を受けた人をま近にする機会があった。当方はこの本から大きな問題に取り組む人間の懐の大きさのようなものを感じた。若い人を見ていると、自分の選んでいるテーマが学会全体の中でどのように位置づけられるかが自覚していないのでは、と思えることがしばしばある。結局は一人ひとりのセンスの問題だといってしまえばそれまでだし、各人の知的好奇心に従って追求することにレベルの違いはあっても研究という意味では良いのだろうが、全体の中での位置づけが不十分だとどうしても結果として反応が出てこない。