石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

論文の寿命

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部屋を少し片付けていたら、Isamu Hirotaの表題の文章(自然、1984年5月号)のコピーが出てきた。論文を引用の性格で5種に分類している。A)時流型、B)集成型、C)先駆型、D)温故知新型、E)大原理型、とのことで、Aは新しいものが多く、B,Cはそれに次ぎ、D、Eは長期間引用される。著者の専門分野の代表誌であるJ.Atmosph.Sci.の論文についてデータを当たって上の図を作成された。1980年発表の論文に引用された論文数は時間を遡ると指数関数的に減少する。また、時代と共に掲載論文数が指数関数的に増えていることを規格化して論文の平均引用寿命を計算して、約13年と求めている。これは分野によっても変わるだろうし、この当時から4半世紀経った現在ではより寿命は短いかもしれない。Web of Scienceが1996年以降のデータを扱い、2008年にSCIが打ち切り?になったのは12年なのでそれなりに理にかなっているのかも知れない。