石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

国立大学法人の個性化:格差の拡大

新聞で紹介されていた、天野郁夫著「国立大学・法人化の行方」東信堂を眺めてみた。当方、地方大学を転々としてきて、同じ国立大学間でも格差が多く、また大学内、学部内での格差を感じてきたが、その歴史的な背景や政府の施策等についてわかりやすく解説されている。2004年度の法人化で、決定機構のボトムアップからトップダウンへの変更の実態、教員・事務職員の関係の変化の実態、運営交付金の削減と外部資金(+間接経費)の比率の増加による大学間格差の増大、等々。いづれも数年程度ではドラスティックには目に見えないくても5年を過ぎるとじわじわと差別化(個性化)が顕著になってきそうである。Kanazawa大学のHPを見るといつの間にか全学を3つの学類に分類したり、特任教員を多数置いたり、思い切った改革を試み始めているように見える。大学は執行部を中心として、文部科学省と学内だけを見るのではなく、広い視野で上・横を見ながら自己変革を努力しないと生き残りの中で浮上するのは容易でなさそうだ。個人別でも同じことだろう。こちらは定年まで通常業務の他はこれまでの負債の清算(学生の仕事の公表)をするのみであまり関係ないが。