ﾛﾝｸﾞﾃｰﾙ現象は科学でも生じるか？

いい加減な話で、大学院の授業では，結局「ロングテール現象は科学でも生じるか？」というタイトルで話した．2006年に出版された時ざっと眺めて最近読み直した梅田望夫著「Web進化論」（ちくま新書）のロングテール現象（インターネットの出現により，売上の低い多数の本（ﾛﾝｸﾞﾃｰﾙ）もAmazon等で検索・アクセスが容易になり総売上の4割以上を占めるようになった現象）が科学論文について当てはまるかどうか，という議論．つまり，従来だと文献を調べるのは，図書館に行って，それぞれの専門誌のうちで重要な雑誌を見て調べるのが，現在ではインターネットで検索・ダウンロードが簡単にできるようになったので，余り重要でないLocalな雑誌に出た論文でも論文自体が面白ければ日の目を見るチャンスが増えたのではないか，という考え．ある程度はそういう側面があるが，学会は結構保守的なので，なかなか主要誌の重要性は減らないかもしれない．それにしても，20人の院生の中でWeb of Scienceを活用しているのは他大学から来た1名だけだったというのは驚いた．何で？