石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

個人差

定年になって3年余りになり、もうそろそろ終わりかなとも思う。実験を
しても目がショボついたり、計算間違えも多い。時々アイデアはあるので
まだもう少しという気分もあるのだが、文献を粘り強く追っ掛けるのは容易
ではない。

歳を取ると、個人差が大きい。

Wasserburgのように80を越えても厚い論文を毎年出している人も居るが、
よく頑張る人で75位、70前で止まってしまう人も多い。勿論、50以降は
自分では実験はせずに若い人の仕事にアイデアや修正を加えて共同研究を
する人も多いように見受ける。

昔、化学の小竹無二雄先生という方が、80才迄実験台に立つという趣旨の
文章を書かれているのを見て感銘を受けた記憶がある(科学朝日?)のだが、
なかなか容易なことではない。昔の化学の先生方は粘り強い方が多かった
だろうか。金沢大の木羽敏泰先生も学部長をやりながら実験を続けられ、
定年以降も頑張られた。

もっとも、50を過ぎると頭が固くなって(ゾルゲル転移)オリジナルな
イデアはさっぱり、となる場合が多いことを物理の若手の先生が書かれて
いた(そのTN先生ももう50才に近いはず)。まあ、パターン化した仕事
(地学ではそれが重要な成果になる場合が結構ある)で続けれるのは幸い
である。数式やプログラミングは若い人の独壇場だ。

定年になって何時も思うのは’サドンデス’で、何時終わるか判らない。
でも余命があるなら何をして過ごすべきなのか、なかなか凡人には先が
見えないし辛い話ではある。