石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

渦の巻き方

風呂の栓を抜いた時の渦は北半球でも右巻・左巻両方があるというのはIさんが云っておられたので注意してみると確かに他の要因で決まっているようで家のものは右巻が多い。でも台風や低気圧は北半球では左巻で例外はなさそうだ。赤道上で台風ができたらどっちにしようか困るかもしれないが、発生しないのかな?で、コリオリ力が働く境界はどの辺にあるのだろうか。もちろん他の力との相対的なものだろうから一概に言えないのだろう。竜巻についてWebで見ると北半球では左になると書いてある*が、塵旋風では規模が小さいので両方あると書いてあった。これらのサイズ(100m程度)が境界なのだろうか?あるいは,渦のでき方による違いなのか?数10km規模の済州島で見られるカルマン渦は両側に対称に出ているのであれは右巻・左巻両方がある。厳密には非対称になるべきなのだろうが、見たところ周囲の風速の違い(shear)の分布で非対称が出ているようにも見えコリオリ力が目で見える程ではなさそうだ。同じ例で、鳴門の渦も両方あって、当然流速勾配が対称になるから右巻・左巻が生じる。海流でも湾流は数10km規模なら日本周辺で右巻・左巻の両方がある。でも1000km規模だと厳しいだろうか。少なくとも対称にはならないだろう。大気と海洋では当然慣性、粘性が全然違うが意外と渦のサイズで見ると似たところがあるのかもしれない。そういえば,以前,EPSLにカルデラ火山のマグマ溜り(>10km径)ではコリオリ力でマグマが渦巻く可能性があるという内容の論文があった.つむじ風の季節がくるので、今度出あったら注意してみよう。

*「竜巻の渦の巻き方」で検索するとアンサイクロペデイアがTopでこのように記載してあったが、Wikipediaで「竜巻」ではコリオリ力は無視でき、両方の巻き方があると記載してあった。記載を読むと後者の方が専門性が高いようだ。