石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

研究の効率

教員ポストの人事があると,論文数や引用度がまず数値として出てくる.もちろん掲載誌のレベルや第一著者の有無や学生指導成果,外部資金獲得なども重要であるが.論文数は一般には理系の教授だと最低30編が目安だと聞いたことがある.もちろん少なくても重要な論文を書いていれば(湯川さんのように)良いのだろうが,一般Peopleでは数が少ないと別分野から文句がつく.論文数の最高について,丸山工作「生化学の黄金時代」によると梅沢浜夫の1275編というのがあるが,現在ではInternet等環境が良くなってきているのでもっと凄い人がいるかも知れない.でもWeb of Knowledgeで見ると,1000編を越える人はほとんど見つからない*.大半の研究者は仕事が全部論文になっても数10編がいいところで,100編を越えるのは全体の10%以下だろう.富山大のOさんは昔,年齢の数論文を書くよう指導教員に言われ,自著論文が定年分は超えたと言っておられた.定型的な研究をすれば効率よく論文数は増えるだろう(銅鉄主義)が探究の面白みは楽しめないような気がする.研究内容が分散しがちな隙間産業的研究者は読む文献が分散する結果時間がかかり収率は落ち数不足に陥る.
*高エネルギー関係の著者100名以上年間数10編というのは別枠で,論文数・引用数は重みつけして著者数で割るべきだろう.