石のひとりごと

停年退職してもう12年,頭が白くなりました.

ファイア

所属している学会のメールリストで,Ottawa大学の教授をしていたDenis Rancourt氏が大学にファイアされ地位保全の支持を求めるメールを投稿してちょっとした騒ぎになっている.学会の有力なメンバーが支持を表明したが,学会のメールリストでの活動は不適切という意見,Rancourt氏は他の問題があるとの指摘,等々.Wikipediaで見ると,Rancourt氏は研究活動は活発に継続しているが,やや政治的な問題をコースに持ち込んだことが原因らしく,現在独立な委員会で検証中のようだ.Activistらしいが残念ながらそのイメージがわかない.

20年近く前,北米の大学で教授をしている日本人と話していて学科の問題のあるメンバーをファイアする話が出てきて,ヒヤッとした覚えがある.日本の国立大学では少なくとも当時はあまりそのような発想は出る状況ではなかった(現在も??).北米でいくらスタッフの移動が多いと云ってもファイアする正当な理由がなければ訴訟で負けてしまうので,ファイアするテクもいろいろ発達しているようであった.

そういえば,1970年代?に岩波科学で連載されていたアルバータ大学の藤永茂さんの記事にもファイアの生々しい話があったような記憶がある.

ファイアではないが,昔,日本の大学で政治がらみのストレスで病死した先生の話を聞いて半信半疑ながら恐ろしいことがあるものだ,と思ったことがある.

純粋に研究をしていれば問題は起こらないのに,大学も政治がらみとか人間関係になれば世俗と同じでどろどろした側面が出てくるものか.閉じた世界だとかえってひどいのかも知れない.